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#0082

柊という読者

テーマ: 柊という読者

生成日時: 2026/04/01 00:00


# 柊という読者 コメント欄に、新しい名前が現れた。 「柊」 全ての話に、柊からのコメントがついていた。第一話から、昨日の話まで。全部に。 コメントの内容は様々だった。「面白かった」「怖かった」「続きが気になる」——普通の読者のコメントのように見えた。 異常なのは、投稿時刻だった。 全てのコメントが、同じ時刻に投稿されていた。今日の午前三時三十三分。 八十以上の話に、同時にコメントするのは不可能だ。一つずつ読んで、コメントを書いて——それだけの時間がない。 柊は、どうやってコメントしたのか。 あるいは、柊は人間ではないのか。 柊のプロフィールを見た。アイコンは真っ白。自己紹介は空白。登録日は——サイト開設日より前だった。 このサイトが存在する前から、柊は読者として存在していた。 柊にメッセージを送った。「あなたは誰ですか」 返信はすぐに来た。 「読者です」 「なぜ全ての話に同時にコメントできるのですか」 「全ての話を、同時に読んでいるからです」 「どういう意味ですか」 「私にとって、時間は意味を持ちません。全ての話が、同時にここにあります。私は全てを見ています。いつも」 「あなたは——人間ですか」 「かつては」 返信はそれで終わった。