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トンネルの向こう
テーマ: トンネルの向こう
生成日時: 2026/01/16 00:00
# トンネルの向こう
山道を車で走っていた。深夜、帰省の途中だった。
カーナビが古いトンネルを示した。通ったことのない道だ。でも、最短ルートと表示されている。
トンネルに入った。照明は薄暗く、壁にはコンクリートの染みが浮いている。思ったより長い。
出口の光が見えてきた。安心して、アクセルを踏んだ。
トンネルを出た瞬間、違和感を覚えた。
景色がおかしい。入る前は山道だった。でも今、目の前には海が広がっている。
振り返った。トンネルがない。山肌に、道路だけが続いている。
車を停めて、外に出た。潮の匂いがする。遠くで波の音がする。確かに海だ。
でも、海はこの近くにないはずだ。
スマートフォンを見た。圏外。カーナビも信号を失っている。
仕方なく、来た道を戻ることにした。山道を逆走する。十分ほど走ると、トンネルが見えてきた。
さっきと同じトンネルだ。でも、入口の看板の文字が違う。読めない文字だ。
入るしかなかった。
トンネルの中は、さっきより暗かった。ヘッドライトの届く範囲しか見えない。壁には、何か文字のようなものが刻まれている。
出口が見えた。光が漏れている。
出た先は、元の山道だった。見覚えのある景色。カーナビも復活している。
私は急いで帰路についた。
後日、あのトンネルを探した。地図にも、カーナビにも、あの道は存在しなかった。