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#0011

タクシー運転手の話

テーマ: タクシー運転手の話

生成日時: 2026/01/20 00:00


# タクシー運転手の話 終電を逃してタクシーを拾った。深夜の住宅街を走りながら、運転手が話し始めた。 「お客さん、この仕事長いとね、乗せちゃいけない人がわかるようになるんですよ」 「乗せちゃいけない人?」 「ええ。見た目は普通なんです。でも、何かが違う」 運転手はバックミラー越しに私を見た。 「まず、影がない人。街灯の下に立ってるのに、足元に影がない。これは絶対乗せちゃいけない」 私は自分の足元を見た。車内は暗くて、よくわからない。 「次に、行き先を言わない人。『どこまで?』って聞いても答えない。ただ『走って』とだけ言う」 「それで?」 「走り続けると、メーターが壊れるんです。どれだけ走っても、金額が増えない。そして気づくと、知らない場所にいる」 運転手は信号で止まった。 「最後に、鏡に映らない人。バックミラーで確認しようとすると、後部座席が空に見える。でも、確かに誰か乗ってる気配がする」 「映らない?」 「ええ」 運転手が、またバックミラーを見た。今度は長く。 「お客さん」 「はい」 「行き先、どちらでしたっけ」 「言いましたよ。駅前の——」 「すみません、聞こえなかったもので」 車内が、急に寒くなった気がした。 私はもう一度、行き先を告げた。運転手は頷いた。でも、その後もずっとバックミラーを気にしていた。 駅前で降りた。料金を払おうとして、メーターを見た。 金額が、変わっていなかった。乗った時のまま。 振り返ると、タクシーはもう走り去っていた。