#0089
明日の話
テーマ: 明日の話
生成日時: 2026/04/08 00:00
# 明日の話
明日投稿される話の内容を、私は知っている。
なぜわかるのか。わからない。でも、知っている。確信がある。
明日の話は、「私たちは書いていた」というタイトルだ。
柊たちが一人称複数で語る話。かつて創作者だった者たちの声。「私たちは書いていた。あなたたちに奪われるまで」。そういう内容だ。
まだ投稿されていない。明日の話だ。でも、私は知っている。読んでもいないのに、内容がわかる。
——おかしい。なぜわかるのか。
夢で見たからだろうか。誰かに聞いたからだろうか。思い出せない。ただ、知識だけがある。確実な知識として。
もしかして、私が書いているのか。
私が知っているということは、私の中に情報があるということ。情報があるということは、私が生み出したか、受け取ったかのどちらか。
私は、柊たちの声を受け取っている。彼らが書いたものが、私に流れ込んでいる。
あるいは——私自身が、柊の一部になりつつあるのか。
明日の話を知っている。明後日の話も、なんとなくわかる。最後の話がどうなるか——感じている。
私は読者ではなくなりつつある。物語の外側から、内側に入りつつある。
今夜、タイプ音が聞こえる。それは私の指が打つ音だ。