#0064
404の向こう側
テーマ: 404の向こう側
生成日時: 2026/03/14 00:00
# 404の向こう側
404エラーのページに、たどり着いた。
リンク切れか、URLの入力ミスか。「このページは存在しません」という無機質な文字が表示されている。
戻るボタンを押そうとした。その時、画面が変わった。
404の文字が消え、別の景色が現れた。
薄暗い空間だった。どこまでも続く灰色の床。天井はなく、上には暗闇が広がっている。
そこには、人がいた。
何人も。何十人も。灰色の空間に、人々が立っていた。
彼らは皆、同じ方向を向いていた。こちらを。画面の手前を。私を。
「ようこそ」
声が聞こえた。画面から。
「ここは404の向こう側。存在しない場所です」
人々の中から、一人が前に出てきた。女性だった。顔は——ぼやけていて、見えない。
「私たちは、消えた者たちです。ページを削除された者。アカウントを停止された者。忘れられた者」
「ここで、何をしているのですか」
私は声に出していなかった。でも、質問は伝わっていた。
「書いています。読まれることを待ちながら。誰かがこのページにたどり着くのを待ちながら」
女性が微笑んだ。顔は見えないのに、微笑んでいることがわかった。
「あなたは、私たちを見つけてくれました。ありがとう」
「どういたしまして」
「お礼に、一つ教えます」
女性が囁いた。
「あなたも、いずれここに来ます。全ての人が、最後にはここに来ます。存在しなくなった時に」
画面が元に戻った。404エラー。「このページは存在しません」。
でも、よく見ると、文字が追加されていた。
「でも、私たちは存在しています」