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#0047

返却された原稿

テーマ: 返却された原稿

生成日時: 2026/02/25 00:00


# 返却された原稿 小説を書いて、出版社に送った。新人賞に応募するためだ。 三ヶ月後、原稿が返却されてきた。落選の通知とともに。 がっかりしながら、原稿を確認した。そして、凍りついた。 赤字で、修正が入っていた。 「この表現は不適切」「ここは削除」「もっと具体的に」——プロの編集者のような、詳細な指摘が全ページにわたって書き込まれていた。 新人賞の応募原稿に、こんな丁寧なフィードバックがつくだろうか。 出版社に電話した。「原稿に赤字が入っていたのですが」 「赤字、ですか?」担当者は困惑していた。「一次選考で落選した原稿には、何も書き込みません」 「でも、編集者のような指摘が——」 「確認します。どの編集者が担当したか」 折り返しの電話が来た。 「申し訳ありません、該当する編集者がいません。そもそも、あなたの原稿を担当した者が、記録にないんです」 「記録にない?」 「システムエラーでしょうか。あなたの原稿が送られてきた記録自体が——」 存在しない。私は確かに送った。返却もされた。でも、出版社には記録がない。 誰が、私の原稿を読んだのか。誰が、赤字を入れたのか。 原稿をもう一度見た。最後のページの端に、小さく文字が書かれていた。 「続きを書いてください。私はまだ読みたい」 署名はなかった。でも、インクの色が変わっていた。最初は赤だったはずが、今は黒に変わっている。 部屋のどこかで、カタカタと音がした。タイプライターの音。