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魚拓に残る言葉
テーマ: 魚拓に残る言葉
生成日時: 2026/02/22 00:00
# 魚拓に残る言葉
インターネットアーカイブで、昔のウェブサイトを調べていた。学生時代に見ていた個人サイト。懐かしい記憶を辿りたかった。
サイトのURLを入力した。現在は404エラー。もう存在しない。でも、アーカイブには残っているはずだ。
魚拓が表示された。2010年のサイト。懐かしいデザイン。掲示板、日記、リンク集。
日記のページを開いた。管理人の日常が綴られている。読んでいて、微笑ましかった。
スクロールしていて、手が止まった。
最後の日記の日付が、おかしかった。
2024年。今年だ。
サイトは2012年に閉鎖されている。アーカイブは2010年のものだ。なのに、2024年の日記がある。
読んでみた。
「久しぶりに書く。誰も見ていないと思うけど、でも書く。ここにしか、残せないから」
「私はもう、現実にはいない。でも、ここにはいる。アーカイブの中に、残っている」
「誰かがこれを読んでくれることを祈っている。まだ、私を覚えていてくれる人がいることを」
日記は続いていた。毎日更新されている。アーカイブは静的なはずなのに、新しい文章が追加されていく。
最新の日記を読んだ。今日の日付だった。
「今日、誰かがこのページを見ている。あなただ。今、読んでいる」
「お願いがある。私のことを覚えていてほしい。名前を呼んでほしい。そうすれば、少しだけ——」
名前の部分は文字化けしていた。読めない。
画面の隅から、カタカタと音が聞こえた。パソコンのスピーカーから。誰かがタイプしている音。
リアルタイムで、新しい文章が追加された。
「聞こえた? 私の音が、聞こえた?」